昨日ブログ巡りをしていて、たまたま目についたのか、
いくつかのブログで「フィリピンの所得税は30%」という記述が見受けられました。
ほぼ合ってはいるのですが、法律・制度関係は正確な知識が必要です。
なるべくわかりやすく解説しますので、御一読ください。
基本法規
フィリピンの国税はTax Reform Act of 1997(1997年租税改正法)および
Republic Act No.8424(共和国法 第8424号)の下
NIRC : National Internal Revenue Code(内国歳入法)と
TCC : Tariff and Customs Code(関税法)を基本法規としています。
内国歳入はBIR : Bureau of Internal Revenue(内国歳入局)、
関税はBC : Bureau of Customs(関税局)
により税務行政が執行されています。
赤字部分は今後この略称で記述しますので、覚えておいてくださいね。
所得税
NIRCにより、納税義務者は個人および法人と決められています。個人は、5%~32%の累進税率
法人は、32%のフラットレート
で課税が行われています。
課税年度は
個人の場合、カレンダー基準
法人の場合、原則カレンダー基準だが自社の事業年度を選択することも可
となっています。
カジノで勝った賞金も課税対象です^^
所得の種類は下の表を見てください。
所得の種類 NIRC #32 |
個人所得税
個人の課税ベースは
※部補足
滞在期間が税制年度(カレンダーの1年)を通じて合計183日未満で、フィリピンで事業活動を行っているが、その報酬が日本で支払われている者で、フィリピン国内で恒久的施設を有さない者は、免税規定が適用される。(当該報酬は日本でのみ課税対象とされる。)
滞在期間が税制年度(カレンダーの1年)を通じて合計183日未満で、フィリピンで事業活動を行っているが、その報酬が日本で支払われている者で、フィリピン国内で恒久的施設を有さない者は、免税規定が適用される。(当該報酬は日本でのみ課税対象とされる。)
例)日本の輸入企業の担当者が、契約農家などを指導する目的で、毎月15日間フィリピンのホテルや農家などに滞在したケース。
9/14追記:2008年の法改正で、法定最低賃金就労者は免税の対象となりました。
保険を支払ってるのに、控除がないじゃないか!って思いました?
保険控除は家族の合計所得がP250,000未満の場合のみ控除が適用されます。
さらに保険控除の条件は、
1家族P2,400かつ月額P200を超えない範囲で、扶養家族の分を含められるのは配偶者のみとなっています。
PhilHealthで3ヶ月P450ですから、自分と配偶者の分で月額P300のうちP200分だけ控除できます。
(年収P250,000未満の場合だけですよ)
個別控除は、
お?世帯主と既婚者の違いってなんだよ?
ここで言う世帯主とは、日本で言うところの母子家庭や父子家庭にあたるケースです。
これも条件付きで、
フィリピンの世相を反映してますね。
ちょっと補足すると、いわゆる未成年の別居している実子がいる人は「世帯主」と認定され、個別控除額P25,000が適用になるという事です。
扶養控除は、
1名当たりP8,000が控除されますが、上限4名まで。
9/14追記:2008年の税制改革で、扶養者の基礎控除もP25,000(上限4名)に引き上げられました。
これも条件があって、
4番目の両親のケースは、認められる場合もあるとの事ですので(括弧)書きにしました。
大事なのは、「納税者と生計を1つにする」と云う条件ですね。
逆に聞くと、別居してても生計が1つならば、扶養者に出来るという事ですね。
参考までにフィリピンでありがちなパターンを見てみましょう。
と言っても、実際のこのパターンの場合は納税なんかしてないでしょうけどね^^;
最期に「課税税額および税率」表を。
この表はNIRC Sec.24 (A)を基に税率を計算したものです。
NIRCの計算法では、永久に32%という数字は出てきません。
31.999999999%の様にひたすら32%に近づきますが、絶対に出ないのです。
まぁ、実際はBIRの職員に裁量権があるので、ある金額を超えると、「はいあなた32%!」って決められちゃうようです。
申告と納付方法も書こうかと思いましたが、ちょっと長くなりすぎてしまいましたので、また次回という事で^^
9/14追記:2008年の法改正で、法定最低賃金就労者は免税の対象となりました。
納付税額の計算
フィリピン国内源泉所得のみが課税対象になります。
下表は条件を想定したサンプルです。
年収P240,000で、納付税額は年間P40,200になります。
もう少し年収を上げてみましょう。
年収P600,000で、納税額は年間P136,000になりました。
保険を支払ってるのに、控除がないじゃないか!って思いました?
保険控除は家族の合計所得がP250,000未満の場合のみ控除が適用されます。
さらに保険控除の条件は、
1家族P2,400かつ月額P200を超えない範囲で、扶養家族の分を含められるのは配偶者のみとなっています。
PhilHealthで3ヶ月P450ですから、自分と配偶者の分で月額P300のうちP200分だけ控除できます。
(年収P250,000未満の場合だけですよ)
個別控除は、
- 独身者(separated with no qualified dependents) : P20,000
- 世帯主(For Head of Family) : P25,000
- 既婚者(For each married individual) : P32,000
お?世帯主と既婚者の違いってなんだよ?
ここで言う世帯主とは、日本で言うところの母子家庭や父子家庭にあたるケースです。
これも条件付きで、
- 21歳未満の兄弟姉妹・実子で、未婚かつ所得を有しない場合
- 生計を共にしている21歳未満の法的に認められた養子で、未婚かつ所得を有しない場合
- 判決に基づき、別居している配偶者で、その配偶者が所得を有しない場合
- (身障者の場合は、年齢制限を適用しない。)
フィリピンの世相を反映してますね。
ちょっと補足すると、いわゆる未成年の別居している実子がいる人は「世帯主」と認定され、個別控除額P25,000が適用になるという事です。
扶養控除は、
1名当たりP8,000が控除されますが、上限4名まで。
9/14追記:2008年の税制改革で、扶養者の基礎控除もP25,000(上限4名)に引き上げられました。
これも条件があって、
- 納税者と生計を1つにする21歳未満の兄弟姉妹・実子・養子で未婚かつ所得を有しない場合
- 納税者と生計を1つにする配偶者で所得を有しない場合
- 納税者と生計を1つにする身障者の場合
- (納税者と生計を1つにする実の両親で介護等が必要かつ所得を有しない場合)
4番目の両親のケースは、認められる場合もあるとの事ですので(括弧)書きにしました。
大事なのは、「納税者と生計を1つにする」と云う条件ですね。
逆に聞くと、別居してても生計が1つならば、扶養者に出来るという事ですね。
参考までにフィリピンでありがちなパターンを見てみましょう。
と言っても、実際のこのパターンの場合は納税なんかしてないでしょうけどね^^;
最期に「課税税額および税率」表を。
この表はNIRC Sec.24 (A)を基に税率を計算したものです。
NIRCの計算法では、永久に32%という数字は出てきません。
31.999999999%の様にひたすら32%に近づきますが、絶対に出ないのです。
まぁ、実際はBIRの職員に裁量権があるので、ある金額を超えると、「はいあなた32%!」って決められちゃうようです。
申告と納付方法も書こうかと思いましたが、ちょっと長くなりすぎてしまいましたので、また次回という事で^^