しかし法律なんてのは自国のそれでさえ熟知しているとは言い難い
そこで実際の事例にそってフィリピンの法律についてまとめていきたい
こんな事例があったので、まず紹介します
Aさんは近所に住む日本人で、オイラがここに店を構えて以来お付き合いさせてもらっている。
彼は年金で生活し、フィリピン生活も十年近くになるとの事。
しかしご多聞に漏れず、彼はタガログ語も英語も話せない。
フィリピン人の奥さんとも別居し、一人で暮らしている。
では何故ここにいるのか?
皆さんの想像の通りなので、敢えて記述はしません^^;
さて、そのAさんが昨日オイラの店を訪れた。
いろいろと近況など雑談しているうちに、土地の話になった。
いまAさんは、ある土地を売却しようと目論んでいる。
Transfer Certificate of Title(土地権利書)は奥さん名義だ。
その中の奥さんの名前の横に、自分の名前があるので共同名義だと思い込んでいる。
これは名義人が既婚者の場合、その配偶者名を記さなければならないという規則に法っているだけ。
そして注視したいのは、名前の横に国籍が記されていること。
何故か?
一旦話を戻そう。
Aさんは、この土地の売却をフィリピン人の友人(Bさん)に頼んでいるそうだ。
Aさん曰く
「先日あんたは、日本人は土地所有できないと言ったけど、出来るんだって。」
「はぁ?誰が言ったんですか?」
「BさんとBさんの弁護士が言ってた。Permanent visa(永住ビザ)を持っていれば出来るんだって。」
「だってフィリピンの憲法で外国人の土地所有は出来ないって…」
「あんた日本人だろ!フィリピン人が言ってるんだから出来るんだよ!」
Aさんは怒って帰って行った。
オイラはその後ろ姿に向かって
「騙されないで下さいよー」
という言葉を投げかけたものの、Aさんの耳には届かないだろう…
オイラはこのBさんというフィリピン人とは知り合いではない。
Aさんによると、そこそこの金持ちだそうだ。
音響と演奏者をレンタルする会社を経営していて、多少日本語が話せ、以前はどうもプロモーターだったようだ。
フィリピン事情に通じている人は、このBさんをどう思うだろう?
信用にたる人物か、否か。
このBさんはAさんに大変親切だそうだが、手の平を返すことは無いのか?
ここで本題のフィリピンでの土地所有について、関係法規を見てみよう。
THE 1987 CONSTITUTION OF THE REPUBLIC OF THE PHILIPPINES |
フィリピン1987年憲法 ARTICLE XII 第十二条 |
NATIONAL ECONOMY AND PATRIMONY 国民経済と財産 |
Section 7. |
Save in cases of hereditary succession, no private lands shall be transferred or conveyed except to individuals, corporations, or associations qualified to acquire or hold lands of the public domain. 第7項 世襲財産である場合は保全され、非私有地は、個人・企業・またはパブリックドメインの土地を取得/保有する権限を有する団体以外には譲渡されない。 |
つまり、外国人はフィリピンの土地を所有できないのです。
かつてエストラーダ大統領が、外国資本をもっと入れるため外国人の土地所有を認めるようこの憲法条文を改訂しようとしたが、土地の高騰を招きフィリピン人が所有し続けられなくなるという事で、憲法改訂委員会であっさり蹴られたそうだ。
憲法で決められているので、不正がまかり通るフィリピンといえども、こればかりは不可能なのです。もう一度言います。外国人はフィリピンの土地を所有できないのです。
この他の関係法規として
- The Civil Code of the Philippines(フィリピン市民法)
- Republic Act No. 7899"THE CONDOMINIUM ACT."(コンドミニアム法)
- PRESIDENTIAL DECREE No. 715"THE ANTI-DUMMY LAW"(アンチ・ダミー法)
- PRESIDENTIAL DECREE No. 471(大統領令第471号)
等で細かに規定されています。
0 件のコメント:
コメントを投稿