今回の台風30号(Haiyen、漢名:海燕、比名:Yolanda)、
最大風速65m/s、最大瞬間風速90m/sという事でしたが、
一体どの程度のものだったのでしょう?
最大風速・最大瞬間風速
今回の台風でもこの言葉をよく耳にした事かと思います。
最大風速・最大瞬間風速とは、何を示すのでしょう?
図を見てください。
赤の振幅が、風速の変動幅を示します。地震の揺れと同じです。
この振幅の10分間毎の平均値が、平均風速になります。
2時~4時の平均風速の最大値(左の青○)が、最大風速です。(この図では15m/s)
3時の少し前に、風速が最大になっている瞬間があります(右の青○)。
これが最大瞬間風速です。(この図では26m/s)
最大風速(平地) - 69.8m/s 高知県 室戸岬 (1965年9月10日 台風23号)
最大瞬間風速(平地) - 85.3m/s 沖縄県 宮古島 (1966年9月5日 台風18号)
となっており、
今回の最大風速65m/s、最大瞬間風速90m/sがその両方に匹敵する規模の台風であったことが分かります。
風荷重
日本の設計基準では、最大風速を60m/sと仮定し、これに
建物の形状による、風力係数
地表面の粗さの具合(建物が多いと摩擦で風速が落ちるから。)による、地表面粗度、
地域による差の、地域係数
などを掛け合わせて、算定します。
台風30号の概算風荷重を求めてみましょう。
P=V^2/2×1.23×Cd より
P:風荷重 [N/m2] 、V:風速 [m/s] 、Cd:風力係数
P65=65^2/2×1.23×1.0≒2598N/m2≒265kg/m2
P95=95^2/2×1.23×1.0≒5550N/m2≒566kg/m2
って書いても何だかピンときませんね?
あくまでも例としてですが、
身長156㎝、体重45kgの女性が、P65の風荷重を正面からもろに受けたとすると、
この女性の全表面積が約1.4m2なので、体正面の面積は0.7m2。
265×0.7≒185kgの荷重を受けます。
まぁ、体重45kgですから間違いなく10m以上吹っ飛びますね。
まだピンときませんね?
間口3間、奥行3軒、木造2階建ての住宅があるとします。
ある側からP65の風荷重を受けたとします。
この家のある面の面積は
3間×1.8m×2階×2.8m=30.24m2
受ける風荷重は(Cd=1.2)
P=30.24m2×265kg/m2×1.2≒9.600kg
日本の一般的な木造住宅は1m2あたり300kgと言われます。
フィリピンの木造住宅は、ずっとチープで
屋根トタン・板壁・天井無し・薄い床板を考えると日本の半分位。
G=3間×1.8m×3間×1.8m×2階×150kg/m2=8,748kg
P(9.600kg) > G(8,748kg)ですから、家もぶっ飛びますね\(◎o◎)/!
もうP95の威力は計算しなくても想像できますね。
一般的に、
風速25m/sで、瓦が飛び、風上に向かう歩行が困難になり、
風速30m/sで、雨戸が吹っ飛び、
風速40m/sで、屋根がはがれ、小石が飛び、
風速50m/sで、倒壊する木造家屋があり、
風速60m/sで、鉄塔などが倒壊する。
と言われています。
もし今回のヨランダがマニラに来ていたら・・・
ビルボードほとんど倒壊していたかもしれません。
風は意外と怖いです。
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